100人のごはん史 vol.2|アジの南蛮漬けとキャロットラぺ

昨年からスタートした新企画「100人のごはん史(*)」。今回は2人目のごはん史をご紹介します。

*ごはん史とは……その家庭ならではの「ごはんの歴史」のこと。「100人のごはん史って何?」という方は、こちらのページをご覧ください。

今回紹介する料理は、「アジの南蛮漬け」と「キャロットラぺ」。料理にまつわる想い出やメッセージを、瀧川正子さん(70代女性)にお聞きしました。

アジの南蛮漬け

どんな料理ですか?

5月から7月に、魚屋さんなどの店頭で小アジをみると作りたくなる料理です。頭まで丸ごと食べられます。

小アジの南蛮漬けは、1回分につき小アジ20尾程度を使っています。

揚げた小アジの上に、焼いた筒切りの白ネギ、種を抜いた赤唐辛子、ピーマン(赤、緑)の細切りで蓋をして、上から酢をひたひたになる位までかけます。

(翌日から食べられますが、途中で全体を軽く混ぜて、酢をなじませるとおいしいです)

この料理にはどんな想い出がありますか。

この南蛮漬けは、息子が就職してひとり暮らしを始めるとき「単身住まいの家に帰ったときに小アジの南蛮漬けがあるような生活がしたい」という息子の一言がきっかけで、作り始めました。

小アジの南蛮漬けは、息子が実家に戻ってくるときに合わせて作り、息子に渡してきたものです。

息子はすっかり成長しましたが、この料理を食べると当時の心境がよみがえります。私にとっては、そんな懐かしい記憶を呼び起こしてくれる想い出の料理です。

みなさんにシェアしたいことをひとつ教えてください。

昔からごはんづくりを大切にしていて、できるだけ、家族みんなで食事をつくるようにしていました。

息子が小学生だったとき、家庭科の調理実習で「包丁でジャガイモの皮を見事に剥いた」という話を聞いて嬉しかったことがあります。

食事は毎日の積み重ねなので、もちろん、大変なときもあります。でも、時を経て学ぶこともたくさんあると思っています。

キャロットラペ

どんな料理ですか?

細切りにしたにんじんを熱でしんなりさせて、リンゴ酢(または柿酢)、玉ねぎの細切り、レーズン、オリーブオイル、バジル・にんじんの葉(みじん切り)などを入れて、混ぜ合わせます。

通常のキャロットラぺとは異なり、玉ねぎやにんじんの葉などを加えるのが「我が家流」です。

この料理にはどんな想い出がありますか。

昔は、それぞれの料理を持ち寄って、友人宅でよく談義をしていました。私の周りには「食」を大事にする人が多く、カレーや唐揚げ、焼き豚、煮物など作り置きの料理が多かったです。

キャロットラペはその頃に作り始めたもの。今もキャロットラぺを作っていると、友人たちの顔や談義の様子が目に浮かびます。

みなさんにシェアしたいことをひとつ教えてください。

子どもも独立して、現在は70代の夫婦二人暮らしです。最近の変化として、夫から「ボケ防止にごはんづくりがいい」との提案があり、現在は食事づくりの7~8割を担当しています。

「季節の食べ物を大事にしたい」などそれぞれの希望はありますが、夫婦で一緒に買い物に行き、材料を買い、二人で作るようにしています。

「ごはんを一緒に作る」というのは、単に「料理を作る」ということだけでなく、片付けや盛り付け、食べることまで共有することだと私は思っています。

こうした日々の積み重ねがあるので、「有事の際にもお願いします」と遠慮せずに言えることが、私の自信につながっています。


●養生ふうどでは「食事で心と身体を整えたい」「人にも地球にもやさしく暮らしたい」という人に向けて、「メール&動画講座(無料/体質チェックシートなど特典付き)」と「養生ごはん便り(メルマガ)」を配信しています(画像をクリックすると登録フォームにつながります)。

養生ふうどでは、「養生ごはん教室(対面・オンライン)」や「我が家のごはん史づくり」、「取材・プロモーション支援」などの活動を行っています。