春の味覚!天然・生ぜんまいの下処理と簡単ナムルのレシピ

5月の連休を利用して、新潟県で山菜採りをしてきました。収穫したのは、こごみやうど、ふきのとう(現地はまだ雪が残っていました)など、さまざまな種類の山菜。今回はそのなかから、天然・生ぜんまいの下処理と簡単ナムルの作り方・レシピを紹介します。

ぜんまいは乾燥したものが多く、生ぜんまいは希少品。でも、生ぜんまいで作るナムルは絶品なので、もし手に入ったらぜひ試してみてください。

〇この記事を書いた人…薬膳と郷土料理の研究家:松橋かなこ

ぜんまいとは

ぜんまいは、ゼンマイ科ゼンマイ属のシダ植物。私たちが山菜として食べているのは、若い芽です。日本では北海道から沖縄まで全国に自生していて、わらびと同房に昔から人々に食べられてきました。里山や道端などで見かけることが多く、1ひとつの場所に固まって生えています。

おいしいぜんまいの見分け方

茶色の綿毛がしっかりと生えていて、葉が開いていないものが、おいしいぜんまいです。緑色のものや、ヒョロヒョロとしているものは、筋が多い場合があるので避けるようにしましょう。

ぜんまいの採り方|男ぜんまいと女ぜんまい

ぜんまいには雌雄(男と女)があります。ひとつの株に両方が混ざっています。「女ぜんまい」だけを採るようにして、1~2本は残すようにしましょう。すべて収穫すると、子孫を増やすことができなくなってしまいます。

生のぜんまいは下処理(アク抜き)が必要!

ぜんまいはとてもアクの強い山菜です。しっかりとアク抜きをしてから使うようにしましょう。重曹や小麦粉を使う方法もありますが、今回は灰を利用します。薪ストーブやバーベキューのときに残った灰で大丈夫です。

ぜんまいの下処理には、最低でも半日、できれば1日かけて行うようにしましょう。一口食べてみて、アクが抜けていれば下処理は完了です。

<材料> 作りやすい分量

・ぜんまい(可食部) 100g程度

・灰 ひとつかみ

<下処理の方法>

  1. ぜんまいは茶色のワタと筋張った部分を取る。
  2. 鍋に湯を沸かしてわら灰、ぜんまいを入れて2~3分茹でる。
  3. ザルにあげて水に浸してアク抜きする(途中で2~3回水を取り替えて、半日~1日程度おく)。

<ポイント>

・ぜんまいは時間が経つと固くなるため、収穫後はできるだけ早く下処理をしてください。

天然ぜんまいのナムルの作り方

ぜんまいは、日本では煮物、韓国ではナムルやビビンバなどに使われることが多いです。今回は、ナムルの作り方を紹介します。

<材料> 作りやすい分量

・下処理をしたぜんまい 100g

・A:ごま油・すりごま 各大さじ1/2

・A:塩 ふたつまみ

・A:しょうゆ ひと回し

<作り方>

  1. ぜんまいは長さ3~4㎝程度の食べやすい大きさに切る。
  2. ボウルに1のぜんまいを入れて、Aで和える(清潔な保存容器に入れて、冷蔵保存して2~3日はおいしく食べられる)。

<ポイント>

・お好みでにんにくのすりおろしを加えてもおいしいです。

すぐに食べきれないときは「干しぜんまい」にしよう

下処理をしたぜんまいは、冷蔵庫で数日程度はおいしく食べられます。でも、「ぜんまいが大量にある」「すぐに食べきれない」というときは、乾燥させて「干しぜんまい」にするのがおすすめです。

私の経験談ですが、富山で暮らす祖母は毎年春になるとぜんまいを採って、干したものを離れて暮らす私たちに送ってくれていました。祖母は、もうすぐ100歳。昔のように山菜採りに行くことはなくなりました。ぜんまいを見るたびに、祖母のぜんまいの懐かしい味を思い出します。

<干し方>

1.ザルやムシロに、熱湯で2~3分茹でたぜんまいを重ならないように並べて、天日干しする。

2.ぜんまいが乾いてきたら、回すようにしてやさしく揉む。「揉んだら並べる」という工程を繰り返して、2日間干す。カラカラに乾燥すれば、できあがり。

<保存方法>

・清潔な保存容器に入れて、湿気を防いで保存する。

<戻し方>

・お湯で2~3回もみ洗いをして、最後はそのまま冷ます。粗熱が取れたら、水気をよく絞ってから料理に使う。

ぜんまいをおいしく食べよう

昔から春先になるとよく食べられてきた、ぜんまい。でも、山菜と聞くと「下処理が難しそう」というイメージが強く、敬遠する人も少なくありません。

ぜんまいの場合、下処理(アク抜き)に時間がかかりますが、手順はとてもシンプル。慣れてしまえば、ほかの家事をしながら処理を済ませることもできます。

春の味覚・ぜんまいを見つけたら、ぜひ食べてみてくださいね。

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