親子で米づくり|在来種「滋賀旭」の田植えを初体験(その1)

私たちの主食・お米。毎日のように食べているのに、自分で育てたことはないーー。「それなら自分たちで育ててみよう!」ということで、2年前にバケツ稲での米作りに挑戦しました。

バケツ稲で米作りの楽しさを知ってしまった我が家ーー。次に向かったのは、本格的な水田でした。

先日、在来種「滋賀旭」の田植えを体験してきました。この記事では、米作りに惹かれた経緯や、初めての田植え体験の様子を紹介します。

〇この記事を書いた人……薬膳と郷土料理の研究家 松橋かなこ

米づくりって楽しいかも!? バケツ稲から本格的な田植え体験へ

「おかあさん、おこめってどうやってそだつの?」という息子の言葉にハッとしたのは、今から2年前のこと。

私は富山の米農家の家系に生まれて、毎日のようにお米を食べているのに、自分でお米を作ったことは一度もない。

そんな自分自身をあらためるべく、小さなスペースを利用してバケツで稲を育てる「バケツ稲」に挑戦することになりました。

初めての経験なので、最初から最後までドキドキの連続。白くて小さなお米の花が咲いたときは、その可憐な姿に涙が出そう......。

そして、無事に収穫。

想像していたよりも収穫量が少なかったので、玄米のお粥を作って家族みんなで食べました。一口のお粥をかみしめるように食べたことを、昨日のことのように覚えています。

しかし、稲作を体験したつもりになっていたのも、つかの間。

「つぎはおおきなたんぼで、おこめをそだててみたーい」という息子の一言。

実は私自身も「本格的な稲作を体験してみたい」という気持ちになり始めていました。

そんな折にタイミングよく、野菜の宅配を利用しているメンバー向けの「田植え体験」の存在を知り、すぐさま予約!こうして、今年の稲作体験がスタートしました。

●バケツ稲の奮闘記は、こちらからご覧ください(前編につながります)。

在来種「滋賀旭」、初めての田植え体験

6月初旬に、滋賀県で田植えを体験しました。在来種「滋賀旭」の苗を田んぼに手作業で植えていく、というものです。

米農家さんから田植えや滋賀旭についての説明を受けた後、いよいよ田植え。約30センチの間隔を空けながら、米の苗を1~2本ずつ植えていきます。

長靴や専用の靴ではなく、田んぼのなかには素足で入りました。少し暖かくて不思議な感覚ーー。泥のなかに深く入ると、なかなか次の一歩が踏み出せません。

我が家の担当した田んぼは水深が深かったこともあり、最初は歩くだけで精一杯(笑)。参加者は親子連れが多く、初めての感触に泣き出してしまう子どももいました。

田植えに奮闘する傍らで、子どもたちは水田の生き物に夢中。耳を澄ますとカエルの鳴き声が聞こえてきて、足元には水面を移動する姿もありました。

かくいう我が息子も、田植えのことより、カエルをつかまえるのに一生懸命(笑)。水のなかからカエルをつかまえて大はしゃぎでした。

在来種「滋賀旭」とは

さて、今回植えた滋賀旭についても少しだけ紹介しておきたいと思います。

「滋賀旭」というのは、滋賀県で昭和初期に生まれたお米の品種のこと。かつては「お米といえばこれ」といわれるほど高い評価を得ていたそうです。

「この地域ならではのお米(在来種)を復活させたい」という想いから、地元の米農家さんたちが滋賀旭を栽培する取り組みを進めています。

昨今人気のコシヒカリと比べて、滋賀旭はさっぱりした味わい。「おにぎりというより、梅干しを乗せて食べるとおいしい」と米農家さんが教えてくれました。

一方で、滋賀旭は「機械での収穫にはあまり向かない」「新米の収穫時期が遅め」など、一般的にはデメリットともいえる特徴もあるのだとか。

そんな特徴がありながらも、試行錯誤をしながら、真心を込めて滋賀旭を育てていくーー。

実際に現地を訪れて米農家さんとお話をしていると、滋賀旭への誇りや自信とともに、米づくりへの情熱が強く感じられました。

田植え体験で自然と触れ合う

今回の田植え体験は、大きな自然や先人の知恵に触れる時間でした。

田んぼのなかにはたくさんの生き物が暮らしていて、生き物と一緒に稲が育っていくーー。

水田に素足で入るのはどこか懐かしい感覚で、何だか不思議な体験でした。

次に訪れるのは来月。「お米の苗がどのくらい成長しているのか」「(その頃には)どんな生き物が観察できるのか」など、とても楽しみです。

続きはまたレポートします!お楽しみに。

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