青いトマトは食べられる?追熟の方法と青いトマトのおいしい食べ方・レシピ

夏野菜がおいしく感じる季節になってきました。夏野菜の代表といえば、トマト! 家庭菜園でも人気のある野菜です。

トマトといえば「赤い野菜」という印象ですが、実は、青いトマトもおいしく食べられることをご存知でしょうか。今回の記事では、追熟方法とともに、取材の仕事で学んだ青いトマトのおいしい食べ方・レシピについて紹介します。

〇この記事を書いた人……薬膳と郷土料理の研究家 松橋かなこ

青いトマトとは

赤くなったトマトとは異なり、青いトマトはまだ熟していないため、果実が硬いのが特徴です。

青いトマトはスーパーではほとんど見かけませんが、直売所などでは時々販売されています。

家庭菜園でトマトを育てるとよくわかるのですが、天候不良などの理由でトマトが赤くならずに青いままのことがあります。

また、夏の終わりに茎や葉が枯れ始めてくると、赤く熟す前にトマトを収穫しなければなりません。この場合にも、青いトマトを手にすることになります。

かくいう我が家でも、小さな庭で家庭菜園をしています。数年前までは、青いトマトを前にして「これは食べられるの?」「おいしく食べる方法は?」と考え込むこともありました。

青いトマトは食べられる?

青いトマトは果実の硬さのほかに、独特の青臭さがあります。生のまま切って食べてみると、赤いトマトとは全く違う味に驚きます(私の個人的な意見ですが、生食はやめておいたほうが無難です)。

一方で、青いトマトは、砂糖を加えたり加熱したりするとおいしく食べられます。

実際に、農業をしている私の知人は、青いトマトに砂糖を加えて煮込んだ「青いトマトのジャム」を作っています。我が家にも届けてくれるのですが、ジャムにすることで青臭さがほぼなくなり、爽やかな味わいに。市場には出回らない一品で、毎年楽しみにしています。

「青いトマトのジャム」の作り方(レシピ)

材料

  • 青いトマト 1キロ(ある分だけ)
  • てんさい糖 300グラム(トマトの重量の3割)
  • レモン汁 適量

作り方

1.トマトを洗って、1センチ角位に刻む。

2.砂糖をまぶして、水分が出るまでしばらくおく(1~2時間程度)。

3.厚手の鍋に2を入れて、焦げないように気をつけながら、弱火で煮詰める(アクが出てきたらその都度とる)。

4.最後のところで、レモンを加えてひと煮たちさせれば、できあがり。

ポイント

・砂糖を加えた後、水分が出てきたのを確認してから、火にかけるようにしてください。

・なめらかな食感に仕上げたいときは、3の後に裏ごししてください(私はツブツブ感があるほうが好きなので、裏ごしはしません)。

青いトマトの追熟方法

青いトマトは室温でしばらく置いておくと(=追熟)、赤色に変化します。

「トマトの一部が青い」というのは、よくあることです。そんなときにも、追熟させる方法を知っておくと役立つかもしれません。

青いトマトを追熟する手順

1.青いトマトをポリ袋に入れて、室温(20度前後)で2~3日程度おく。

2.赤く色付いてきたら、冷蔵庫で保存する。

追熟のポイント

・高温多湿になる時期はトマトが傷みやすくなります。状態をこまめに確認するようにしましょう。

・りんごと一緒にポリ袋に入れておくと、追熟が加速します。トマトとりんごは旬の時期が異なりますが、もし手に入ればぜひ試してみてください。

取材で学んだ!「青いトマト×塩麴」でつくる絶品料理

青いトマトには赤いトマトにはない味わいがあり、調理方法次第でおいしく食べることができます。

2022年の夏、老舗の発酵メーカー「ハナマルキ」さんとイオングループの農業法人「イオンアグリ」さんが共同で展開する「青いトマトプロジェクト」を取材させていただきました。

その際に知ったのは、赤いトマトが店頭に並ぶ裏側で、大量の青いトマトが使われずに処分されているということ。

この状況を改善すべく始まったのが、この「青いトマトプロジェクト」です。

フードロス削減というひとつの目標に向かって、さまざまな人たちが知恵を出し合いプロジェクトを創り上げていく様子に、非常に感銘を受けました。

担当者の方々からお話を伺うなかで、青いトマトが大変身する食べ方を学びました。

それは「青いトマトを塩麴に漬け込んでから料理する」というもの。こうすることで、青いトマト特有の青臭さや食感が和らぎ、爽やかな風味が引き出されます。

特にピクルスやカレーは絶品で、「(赤いトマトではなく)青いトマトを使いたい!」と思うほど、私のお気に入りになりました。

それまで「青いトマトといえばジャム」と思っていた私にとって、これは衝撃的な体験でした。

〇「青いトマトプロジェクト」の取材記事はこちらから(シェアシマinfoサイト)

フードロス削減にも。青いトマトをおいしく食べよう

青いトマトは、使い方次第でおいしく食べることができます。青いトマトを手にしたら、新しい食材としてぜひ活用してみてはいかがでしょうか(個人的には、スーパーなどでも販売される日がくることを願っています)。

「フードロス削減」「環境にやさしい」というだけでは、取り組みは広がっていきません。しかし、そこに「おいしい」「楽しい!」が加わると、取り組みはどんどん拡大していきます。

養生ふうどの活動をしていると、「食と環境は密接に関わっているなぁ」と感じることが多くあります。これからも、活動の視野を広げて「人と地球にやさしい未来」をつくっていきたいと思います。

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