藍の葉は食べられる?|葉の効能と食べ方、お茶の作り方・レシピ
「藍染め」で知られる植物・藍。しかし一昔前までは、藍は健康食材として利用されてきたことをご存知でしょうか。
先日藍染めを体験した後、藍の葉をたくさん持ち帰り、いろんな食べ方を試作しました。
「藍の葉は苦そう......」というイメージを持っていましたが、比較的食べやすく、料理にも使いやすくて驚きました。
そこで今回は、藍の葉の効能とおすすめの食べ方、お茶の作り方・レシピについて紹介します。
〇この記事を書いた人...…薬膳と郷土料理の研究家 松橋かなこ
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藍の効能|かつては食用・薬用として重宝されていた
現在のように医療や薬が発達していなかった頃は、人々は身近な薬草を利用して健康を保っていました。
藍もそのひとつです。藍は、かつては食用・薬用として日常的に利用されていました。
「藍職人は病気知らず」という言葉を聞いたことはありますか。
これは藍の生産が盛んな徳島に伝わる有名な言葉で、藍の健康効果を表現したものです。
書物にも数多くの記述が残っています。たとえば、「本草和名(918年)」には藍の実が解熱剤として紹介されています。
昨今のさまざまな研究結果によれば、藍には抗菌作用や解毒作用、抗酸化作用・抗炎症作用も期待されています。こうした作用から、最近では藍を使った石けんや化粧品なども登場しています。
藍の葉のおすすめの食べ方
藍の解毒作用をいかして、藍は刺身のツマとして、一昔前まではよく利用されていました。
薬味を使う感覚で、生のまま料理に添えると、きれいな緑色を楽しむことができます。
気になる味ですが、藍の葉には若干の苦味があります(ルッコラなど香りのある野菜が好きな方であれば、比較的食べやすいと思います)。
加熱したり刻んだりすると、モロヘイヤのような粘り気が出ます。もずくやわかめなどの海藻と組み合わせるとおいしいです。
藍の生葉はなかなか入手しづらいですが、藍の乾燥葉や藍パウダーなどはインターネット通販などで販売されています。藍のパウダーは青汁のような感覚で、飲み物やおやつづくりに手軽に利用できます。
藍は、葉をとってもとってもすぐに次の葉が出てくるほど、生命力の強い植物です。
「(乾燥葉やパウダーではなくて)藍の生葉を使いたい」という場合は、藍を育ててみてもいいかもしれません(藍の種をいただいたので、私は来春に種をまいて育てる予定です)。
↑ 9~10月頃には、薄紫色の可愛らしい花も楽しめます。
簡単!藍のお茶の作り方・レシピ
「藍の葉を継続的に摂取したい」という場合は、お茶にして飲むのもおすすめです。ここでは、藍の葉・茎からお茶をつくる方法をお伝えしますね。
今回は、料理に使った後の茎の部分をメインで使っています(葉を使う場合も同様に作れます)。
<材料> 作りやすい分量
・藍の葉・茎 ある分だけ
<作り方>
- 藍はきれいに洗って汚れを落としておく。
- ザルなどに並べて、カラカラになるまで天日干し。
- キッチンバサミなどで使いやすい大きさにカット。清潔な保存瓶に入れて湿気を避けて保管する。
*香ばしい風味が好みの場合は、乾燥後に厚手のフライパンなどで油をひかずに乾煎りしてください。
<飲み方>
乾燥させた藍ひとつかみと水カップ1~1.5杯を鍋に入れて加熱し、沸騰したら弱火で数分煮出します。
番茶などとブレンドしてもおいしいです。
自然の恵みを取り入れて健やかに暮らそう
染色としてだけでなく、食用や薬用としても古くから人々に愛されてきた藍。
今回試作してみて、想像していたよりもずっと食べやすく、普段の料理にプラスして活用できそうだと感じました。
同時に、藍のように、古くから私たちの健康を守ってきた素晴らしい食材が忘れられつつあることは、とても残念だなぁという気持ちにもなりました。
これからも、こうした素晴らしい食材の魅力を発信したり、素材を身近に感じたりする機会を企画していきたいと考えています。
先人の知恵と自然の恵みで、心と身体を整えていきたいですね。それでは、またーー。
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