にんじん嫌いも食べられる!甘さ抜群「へきなん美人」の食べ方・レシピ

愛知県碧南(へきなん)市に、にんじん嫌いも食べられる「特産にんじん」があることをご存知でしょうか。

その名前は「へきなん美人」。冬に旬を迎えるにんじんでフルーツと同じくらい甘さが強いのが特徴です。

我が家はこのにんじんが大好きで、旬の時期には収穫体験に出かけたり、料理やおやつを作ったりして楽しんでいます。

今回は、へきなん美人の特徴と一緒に、おすすめの食べ方やレシピを紹介します。

●この記事を書いた人……薬膳と郷土料理の研究家 松橋かなこ

へきなんにんじん「へきなん美人」とは

へきなん美人の産地である碧南市では、古くからにんじん栽培が行われていました。

へきなん美人は、愛知県の伝統野菜「碧南鮮紅五寸にんじん」を品種改良して誕生したものです。

旬の時期は、11月中旬から3月上旬にかけて。寒さが厳しくなる1月~2月に、甘さがもっとも強くなるといわれています。

「へきなん美人」の「美人」の由来は?

鮮やかな紅色で形状が美しいことから、この名前が付いたといわれています。上の写真を見るとわかるとおり、先端までずっしりと太い形状をしています。

「にんじんが嫌い」「苦手」な子どもにもおすすめ

へきなん美人を一口食べると、まずその甘さに驚きます。

糖度が高くて、にんじん特有の臭みや苦みが少ないのが特徴です。にんんじんが苦手な子どもが「これなら食べられた」というエピソードも。全国にもファンがいるほどの人気ぶりです。

へきなん美人の食べ方

へきなん美人は生でも加熱してもおいしく食べられます。

生で食べる

へきなん美人を細長く切った「にんじんスティック(野菜スティック)」のほか、ミキサーやジューサーがあれば「にんじんジュース」するのもおすすめです。

ただし、生食は身体を冷やしやすいです。身体が冷えやすいタイプの方は、食べ過ぎには注意してくださいね。

にんじん特有の臭みや苦みがほとんどないので、生のままでもおいしく食べられます。

加熱すると甘さが引き立つ

へきなん美人は熱を加えることで、甘さが引き立ちます。オーブンでじっくりと焼いた「にんじんのロースト」はその甘さを堪能できる一品です。

沖縄の郷土料理「にんじんしりしり」に使ったり、にんじんのポタージュにしたりするのもよく合います。

このほか、にんじんのすりおろしを生地に加えた「にんじん蒸しパン」「にんじんのホットケーキ」などおやつづくりに使うのもおすすめです。へきなん美人の鮮やかな色合いが加わって、美しい仕上がりになります。

葉っぱも丸ごと食べられる

新鮮な葉っぱが付いている場合は、葉っぱも丸ごと活用しましょう。

薄く衣をつけて油でさっと揚げたり、パセリのような感覚で料理の仕上げに添えるのもおすすめです。

すぐに食べきれない場合は、根本の固い部分は取り除いて、さっと下茹でしておくと便利です。我が家ではちりめんじゃこと組み合わせて「にんじんの葉のふりかけ」にすることが多いです。

へきなんにんじん「葉っぱ入りにんじんごはん」の作り方・レシピ

へきなん美人を収穫した後によく作るのが、葉っぱ入りにんじんごはんとにんじんのポタージュです。にんじん尽くしの料理ですが、見た目が鮮やかで眺めているだけでも元気が出そうです。ここでは、葉っぱ入りにんじんごはんの作り方を紹介します。

橙色の根っこの部分の甘さと、葉のほろ苦さが絶妙な味わいです。子どもなど葉の風味が苦手な場合は、量を加減して作ってくださいね。

〈材料〉作りやすい分量

  • 葉付きにんじん 小1本(大きいものなら1/2本)
  • 米 2合
  • 酒 大さじ1
  • 自然塩 小さじ1/2

〈作り方〉

  1. 米は研いで、ザルにあげておく。
  2. にんじんは、葉と根に切り分ける。
  3. にんじんの根は、1㎝角に切る。葉は沸騰したお湯でさっと茹でて、水にさらす。水気を絞って、刻んでおく(根元の筋張った部分は取り除く)。
  4. 土鍋または炊飯器に、米・にんじんの根の部分・酒・自然塩を入れて、普通に炊く。
  5. 炊き上がったら、3のにんじんの葉を加えて、さっくりと混ぜる。味を見て、好みで自然塩(分量外)をひとつまみ加える。

〈ポイント〉

  • うるち米1.5合+もち米0.5合にするとおこわ風のもっちりとした仕上がりになります。
  • にんじんの葉は、食べる直前に混ぜるようにします。混ぜた後そのまま置いておくと、色が褪せてしまう場合があります。

甘さ抜群!へきなんにんじん「へきなん美人」を食べて健やかに過ごそう

今回は、へきなんにんじん「へきなん美人」について紹介しました。

我が家では旬の時期になると、農家さんの畑を訪れてへきなん美人を収穫しています。

「収穫したにんじんはどんなふうに食べたらおいしいかな」。

こう思うのは、これは大人も子どもも同じです。畑に行った後は、気が付くと親子で台所に立ち、一緒に料理しています。そして、葉も余すところなく料理に使い、作った料理は残さず食べ切る!

楽しみながらしていることが、食育やフードロスにつながっていくーー。おいしく味わいながら、人も地域も元気になっていくとしたら、とても理想的ですよね。

食を通して、そんな好循環を生み出していけたらと思っています! それでは、また。


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