笹寿司と七色なます|新企画「100人のごはん史PJ」いよいよスタート!

「ごはん史」というのは、その家庭ならではの「ごはんの歴史」のこと。我が家のごはん史は、世界にたったひとつのお守りのような存在です。

ごはん史には不思議な力があって、誰かのごはん史を読むことで心がじんわり温まったり、元気が湧いてきたりすることも。

本来は「秘蔵」ともいうべきごはん史を皆さんに語っていただき、100人に到達するまで掲載していきます!

記念すべき第1回は「笹寿司」「七色なます」。料理にまつわる想い出やメッセージを、大隈明子さんにお聞きしました。

*「100人のごはん史って何?」という方は、こちらのページをご覧ください。

笹寿司

笹寿司
子ども時代の写真

どんな料理ですか?

笹の上に、すし飯・山菜・錦糸卵・魚のでんぶ・紅ショウガなどを乗せた、新潟県上越地方の郷土料理。お祭りやお祝い事など、人が多く集まるときに薄型の大きな木箱に入れて、来客に振舞われていました。

この料理にはどんな想い出がありますか。

笹寿司が大量につくられる日は朝から家の中があわただしく、楽しいことが始まる期待感に幼い私たち姉妹は、料理が出来上がるのをワクワクしながら待っていたものです。

家庭によって乗せる食材が違っていて、海に近い我が家では、しめサバを使うこともあり、これが子ども達には不人気。人気の桜でんぶが乗った笹寿司を早い者勝ちで取り合った記憶があります。

みなさんにシェアしたいことをひとつ教えてください。

私の娘が小学生の頃だったか、「おばあちゃんに笹寿司の作り方を習いたい」と言い出し、「これは彩が地味だ」「ここには赤がほしい」と、親子3代楽しく作ったのがいい思い出です。

笹を煮沸消毒して冷凍しておくと冬でも食べられると教わったのは、この時が初めて。

母が他界したあとも、我が家の味として代々引き継がれています。

七色なます

七色なます
大隈さんご家族

どんな料理ですか?

実家に帰るたびに母が作ってくれた大好きな料理です。

大根・人参・きゅうりは千切りにして塩でしんなりさせておき、水で塩を抜いてから硬く絞っておきます。

しらたき・油揚げ・干ししいたけも細長く切り、だし醤油で薄味をつけたら、錦糸卵と全部の材料を胡麻酢で和えます。

この料理にはどんな想い出がありますか。

「作り出すとなぜか大量になってしまうのよね」が、七色なますを作るときの母の口癖。

「みんな野菜をなかなかとらないから」が、勤め先の人たちへおすそ分けを持っていくときの姉の口癖でした。

さっぱりしていて、食べ出すと箸が止まらない栄養価の高い料理。野菜不足を気づかってくれた母の味です。

みなさんにシェアしたいことをひとつ教えてください。

「野菜はしっかり絞らないと、あとで味がぼやけるよ」

水洗いをしたあと適当に絞っていると母によく注意されたものです。

「一工程ずつ手を抜かず丁寧に作ると美味しくなる」

いま思えば、これが母の料理哲学だったのかもしれません。

仕事も家事も子育ても手を抜かない母だったなと、七色なますを作るたびに思い出します。

(大隈明子さん/60代女性)

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関心をお持ちの方は、こちらのページをご覧ください。


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