気力アップ!「すくな南瓜」でつくる養生スープと砂糖不使用おやつ
岐阜県の伝統野菜「すくな南瓜」をご存知ですか。ホクホクしていて甘味が強く、南瓜好きな人にはぜひ試していただきたい品種のひとつです。
今回は、すくな南瓜の特徴や薬膳の効能、甘くない場合の対処法とともに、すくな南瓜を使った養生スープと砂糖不使用のおやつの作り方を紹介します。
●この記事を書いた人……薬膳と郷土料理の研究家 松橋かなこ
すくな南瓜ってなあに?|特徴と栄養、薬膳の効能、名前の由来
すくな南瓜は西洋南瓜の一種で、へちまのような細長い見た目をしています。表面がツルンとしていて、外側は薄い灰色~緑色。通常の南瓜に比べて、皮の部分が薄いので扱いやすいのが特徴です。
すくな南瓜はショ糖が多く含んでいるため甘みが強く、栗のようにホクホクした味わいがあります。ほかの南瓜と同様に、煮物やスープ、おやつづくりなどに幅広く活用できます。
すくな南瓜が出回る時期は、8月中旬から11月ごろ。岐阜県高山市の特産品として知られていますが、旬の時期には私の暮らす愛知県でも手軽に入手できます。
栄養と薬膳の効能
かぼちゃは「冬至に食べると風邪をひかない」といわれていて、栄養価が豊富な野菜として知られています。
βカロテン(ビタミンA)のほかに、ビタミンCやビタミンE、カリウムなどを豊富に含んでいます。
すくな南瓜はほかの南瓜に比べてショ糖やオリゴ糖の含有量が多いとされています。また、皮の部分には鉄分や亜鉛などのミネラルがたっぷり含まれています。
薬膳では南瓜には「胃腸を元気にする」「お腹を温める」などの効能があるとされ、気力を高める野菜としても知られています。
「胃腸が弱くて体力がない」「お腹が冷えている」という方におすすめの食材です。
不思議な名前の由来は?
「すくな南瓜」という不思議な名前は、「両面すくな」という伝説に由来しています。
両面すくなは、神祭の司祭者であり、農耕の指導者としても知られる存在。
すくな南瓜の産地である岐阜県の飛騨・高山地方では、「すくなさま」と呼ばれて人々に親しまれています。
「すくなさまのように親しまれるように」という願いから、「すくな南瓜」と名付けられたそうです。
すくな南瓜のおすすめの食べ方と人気レシピ
すくな南瓜は、和・洋どちらの料理にもよく合います。ここでは、我が家で人気の養生スープのレシピとともに、砂糖不使用の煮物とおやつの作り方を紹介します。
すくな南瓜の豆乳ポタージュ|離乳食やお年寄りにもおすすめ
すくな南瓜を使ったポタージュスープは、我が家でよく作る定番の一品です。
甘さがあってトロトロしているので子どもにも食べやすく、味付けを控え目にすれば離乳食やお年寄りにもおすすめです。
一般的なポタージュスープのレシピでは「コンソメ」を使うことが多いですが、今回は白みそを使います。ホクホクとした南瓜に味噌の風味がよく合います!
材料(2人分)
- すくな南瓜 150g
- 豆乳・水 各3/4カップ(150ml)
- 白みそ 大さじ1/2(または塩こうじ)
- 塩少々
- ハーブや香味野菜(お好みで)適量
作り方
1.すくな南瓜は皮を取り除いて、小さめにカットする(皮はきんぴらなどに活用できます)。
2.鍋に南瓜と水を入れて、加熱する。沸騰したら弱火にして、南瓜が柔らかくなるまで5~10分煮る。
3.粗熱が取れたらブレンダーでなめらかになるまで攪拌する。
4.豆乳を加えて弱火で温める。白みそと塩で味を整えながら、沸騰直前で火を止める。
5.器に盛り付けて、お好みでハーブや香味野菜などを添える。
ポイント
・今回紹介したのは、もっともシンプルな材料・作り方です。材料に長ねぎや玉ねぎを加えたり、具材を煮込む前に油で炒めたりして作るとより味に奥行きが出ます。
・数回分を作りおきする場合は、3の工程までのところで小分けにして冷蔵保存(数日中に食べない場合は冷凍保存)します。食べるときに、豆乳を加えて温めるようにしてください。
すくな南瓜の煮物
少し意外かもしれませんが、すくな南瓜はしょうゆ味にもよく合います。煮崩れしやすいので、煮込み時間を短めにするのがポイントです。
すくな南瓜を似ていると、煮汁にも甘さが出てきます。我が家ではみりんや砂糖などが使わずに作ります。
砂糖不使用!すくな南瓜の茶巾(おやつ)
すくな南瓜は、甘みが強いのでおやつづくりにも向いています。「南瓜プリン」など洋風のおやつにもよく合いますが、私が気に入っているのは「南瓜の茶巾」。
砂糖が使わずにはちみつと塩少々を加えて作ることが多いです。秋の養生ごはん教室に持参することも多く、参加されたみなさんにも好評です。
すくな南瓜が甘くないときの対処法
すくな南瓜は甘味が強いのが特徴です。甘くない場合にはいくつかの原因が考えられますが、そのひとつは「十分に追熟していない」ということ。
収穫した後に風通しの良い場所に置いて1週間おいて追熟させることで、でんぷんが糖分に変わり、甘くなります。
追熟期間をおいたはずなのに甘くないという場合は、「じっくり加熱する」ことで甘さを引き出したり、干し野菜にしたりするのがおすすめです。
加熱や乾燥によってかぼちゃの水分が飛ぶことで、甘さが引き出されます。
旬の食材を楽しみたいなら「栗」もおすすめ
ポロタン栗のおいしい食べ方についてはこちらの記事をご覧ください(クリックすると記事がご覧いただけます)。
すくな南瓜をおいしく食べて気力アップ!
すくな南瓜が出回るのは、夏の終わりから秋にかけて。気力を高める食材として知られるすくな南瓜は、おいしいだけでなく、この時期の私たちの身体にぴったりの野菜といえそうです。
すくな南瓜をおいしく食べて、夏の疲れを癒し、冬に向けた身体づくりをしていきたいですね。
旬の食材をおいしく食べて、健やかに過ごせますように。
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