脱プラスチック!ライ麦ストロー(名古屋市守山区)の取り組みを取材しました
プラスチックごみを削減する動きが各地で進んでいて、私の暮らす愛知県名古屋市でもさまざまな取り組みが行われています。
先日、ライターを務めている「特集・なごやエコ最前線(なごや環境大学)」の記事制作のため、名古屋市守山区で実施されている「ライ麦プロジェクト」を取材しました。
今回は、名古屋での脱プラスチックの動きとともに、取材を振り返っての活動レポートをお届けします。
〇この記事を書いた人……薬膳と郷土料理の研究家 松橋かなこ
そもそも「脱プラスチック」とは
世界全体で年間500~1,300万トンのプラスチックが適切に処理されないまま、海に流出していると推計されています。
この状況が続くと、2050年までに魚よりもプラスチックごみの重量のほうが増えるるといわれ、地球規模での海洋汚染が心配されています。
プラスチックは軽くて大量生産できる便利な素材ですが、少し前から環境への悪影響を及ぼすこともわかってきました。
ここではあまり詳しく解説しませんが、プラスチックは地球温暖化にも関係しているといわれています。
そこで、使い捨てプラスチックの使用量を削減しようというのが「脱プラスチック」というものです。たとえば「プラスチック製品をできるだけ作らない・使わない」「作る場合にはリサイクルが前提」という行動を意味しています。
プラスチックストローのデメリットと問題点
プラスチックストローについていえば、特に「ポイ捨て」が問題視されていて、海洋生物への影響が心配されています。
海に投棄されたプラスチックストローは、5ミリ以下の小さな粒になってしまいます。
その粒を魚や海鳥が間違って食べてしまうケースが増えているのだとか。こうしたプラスチックごみの影響によって、約700種類の海洋生物が負傷したり死んでしまったりしたというレポートも出ています。
名古屋市守山区の「ライ麦プロジェクト」を取材!
名古屋市守山区では、豊かな自然環境をいかして「ライ麦プロジェクト」を2018年から進めてきました。
このプロジェクトは、守山区社会福祉協議会と地域住民・団体が協力してライ麦を育てて、ストローを作るというもの。
(先に行われている長野県の御代田町での取り組みを参考にしながら、プロジェクトを進めてきたそうです。)
私も以前からこのプロジェクトに関心を持っていて、2023年夏から販売開始というタイミングで、現地で取材をしてきました。
〇「特集・なごやエコ最前線(なごや環境大学)」サイトで取材記事が公開されています。詳しくはこちらをご覧ください。
ライ麦ストローの作り方
ライ麦ストローは、ライ麦を栽培することから始まります。秋頃に種を植えて11月~翌年6月頃まで育てた後、ライ麦を収穫するという流れです。
ライ麦の節を切り、ストローを洗浄して包装。ライ麦ストローに使える太さは限られています。ストローに使えないものはフィンランドの伝統的な飾り「ヒンメリ」づくりに利用されています。
また、使い終えたライ麦ストローは、細かく刻んで土にまくと肥料として活用できます。
地元の住民と一緒に楽しみながら行っているのも大きな特徴で「ライ麦を通した循環」が生まれていると感じました。
ライ麦ストローと紙ストローの違い
プラスチック製のストローの代替品として、紙ストローをよく見かけるようになりました。紙ストローは、素朴な紙の風合いがあり、やさしい口当たりです。
ライ麦ストローと比べると、紙ストローは「一度きりの使い捨て」であり「水にふやけやすい」という違いがあります。
この夏、ライ麦ストローを使ってみよう
地元で育てたライ麦を使って、地元の住民たちが作ったライ麦ストロー。
「環境にやさしい」というだけでなく、人々の温かさがぎゅっと詰まったストローです。
数回にわたる取材を通して、このストローの多面的な魅力を感じることができました。
この夏、ぜひライ麦ストローを使ってみてはいかがでしょうか。
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