我が家の味ってなあに?|最近発見した「とうもろこし」のおいしい食べ方

「我が家の味」「思い出の味」と聞いて、どんな料理をイメージしますか。そのなかに、次の世代に残していきたい料理はありますか。

私は、薬膳と郷土料理をテーマに食の活動を9年間続けてきました。そのなかで感じているのは「我が家の味には心と身体を癒すエッセンスが詰まっている」ということ。

ここでは、私がこの数年で大好きになった「とうもろこし料理」を紹介しながら、我が家の味について考えてみたいと思います。

〇この記事を書いた人……薬膳と郷土料理の研究家 松橋かなこ

「我が家の味」ってなんだろう?

助産師さんとのコラボレッスン

我が家の味という言葉が気になり始めて、数年が経ちました。知人や友人に「我が家の味ってある?」と聞くと、具体的な料理名をパッと答えられる人が半分ほど。

それは、生まれ育った土地の料理であったり、体調を崩すと必ず食べていた食事であったり。さまざまな料理を教えてもらいましたが、どの人にも共通していたのは、我が家の料理にはいろんな思い出やエピソードが詰まっているということでした。

一方で、「うーん」と考え込んでしまう人や「我が家の味ってどういう意味なんだろうね」と質問を質問で返す人もいました。

いろんな人と話すうちに、「我が家の味」というのは想像以上に奥の深いテーマであることがわかってきたのです。

私にとっての「我が家の味」|最近大好きになった「蒸しとうもろこし」

「私にとっての我が家の味は何だろう?」と考えたときに、最近よく食卓に登場している「とうもろこし料理」が頭に浮かびました。

夏の楽しみのひとつ、とうもろこしの収穫体験。採りたてのものを蒸して食べたときの感動が忘れられず、それ以来、毎年とうもろこしの収穫に出かけるようになりました。

「蒸しとうもろこし」という言葉を聞くだけで、味はもちろんのこと、とうもろこし畑を歩く姿やみんながおいしそうに食べる様子なども思い出されます。

とうもろこしの収穫体験に行くのは毎年6月頃。蒸し暑くなってきた時節、とうもろこしの甘さが身体にじわっと染み込みます。そんな感覚も一緒によみがえってくるのです。

蒸しとうもろこしの作り方・レシピ

せっかくなので、蒸しとうもろこしの作り方を紹介しておきますね。

<材料>作りやすい分量

  • とうもろこし 2本
  • 水 100ml

<作り方>

  1. とうもろこしの皮をむく(最後の皮は残しておく)。ひげは茶色の部分は取り除く。
  2. 厚手の鍋にとうもろこしと水を入れる。
  3. 蓋をして火にかけて、沸騰したら弱火で蒸せばできあがり(約10分)。

(ときどき様子をみて、水がなくなるようなら途中で水を加えてください)

ひげ根も食べるのが我が家流|漢方では「南蛮毛」と呼ばれる生薬

とうもろこしのひげ根は、茶色の汚れた部分だけをカットして丸ごと蒸して食べています。来客時などで美しく仕上げたいときは、ひげ根の部分をとっておいて「ひげ茶」にすることもあります。

ひげ根は捨てる人が多いようですが、薬膳では利尿作用が高いといわれ、漢方では「南蛮毛」と呼ばれる生薬です。「余すことなく食べてしまおう!」というのが我が家のスタイルです。

とうもろこしを使った「夏おでん」や「ピクルス」も我が家の味

とうもろこしの収穫体験では、毎年たくさんの量を持って帰ります。

農家さんによれば、とうもろこしをおいしく食べるには「鮮度が一番大切」とのこと。採りたてのもので蒸しとうもろしを味わった後は、いろいろな料理にアレンジして楽しんでいます。

我が家で人気があるのは「夏おでん」。とうもろこしを入れると、花がパッと咲いたように華やかな見た目になります。もちろん、出汁のきいたとうもろこしは格別!

もともと夏おでんは、母の定番料理でした。

私は大学卒業とともに地元を離れて暮らしていて、実家に帰省するのは夏と冬の年2回。

お盆休みに実家に戻ると、夏おでんを家族で囲みながらいろんな話をするのがお決まりのパターンでした。

若い頃からの思い出がたくさん詰まっている、夏おでん。母のレシピを自分なりにアレンジして、少しずつ我が家の味になってきました。

もうひとつ、少し前から我が家の定番になっているのは「とうもろこしのピクルス」。大量に収穫して食べきれない分でピクルスを作り、少しずつ楽しんでいます。

とうもろこしの甘さとピクルス液の酸味が何とも絶妙なバランス。旬の時期になると、朝ごはんの漬物代わりやおやつにもよく登場しています。

ここまで書いていてふと気が付いたのは「よく食べる食材や料理が、我が家の味になっていく」ということ。

もしそうだとしたら、いずれ子どもが成長して家を離れたときに「我が家の味として、とうもろこし料理を思い出してくれたらいいな」と考えたりもします。

あなたにとっての「我が家の味」はありますか

「我が家の味」は、料理だけを意味するのではなく、自分の思い出にも深くつながっています。そんな我が家の味をのこし、伝えていくことができたら、自分だけでなく誰かの心のヨリドコロにもなるかもしれません。

あなたにとっての我が家の味はありますかーー。もしよければ、ぜひ教えてくださいね。

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