愛知の伝統野菜「ささげ」は女性にもおすすめ|干し野菜で大量消費にも

愛知や岐阜の伝統野菜「ささげ」をご存知でしょうか。ささげは夏野菜のひとつ。夏に起こりやすい不調の予防にもおすすめの薬膳食材です。

ここでは、ささげの特徴や効能とともに、大量消費にもぴったりの干し野菜の作り方と食べ方について紹介します。

〇この記事を書いた人...…薬膳と郷土料理の研究家 松橋かなこ

ささげってどんな野菜?

ささげはさやいんげんを細長くした形状のツル性植物です。

長さは30~40㎝のものが多く、全体的に緑色をしています。若いさやを食べる夏野菜で、7月下旬から10月頃に収穫されます。

ささげは漢字では「大角豆」と書きます。豆が角ばっていることから、この漢字になっているとのだとか。

愛知県や岐阜県など中部地方を中心に栽培されています。代表的なものとしては「十六ささげ」「三尺ささげ」などの種類があります。

「ささげ」と「さやいんげん」の違い

ささげは、さやいんげんよりも細長い形状をしています。個人的には、ささげのほうが加熱しても食感が残りやすい印象です。

しかし、カットされた状態で料理に入っていると、ささげだと気が付かないこともあるかもしれません。

ちなみに分類学上では、ささげはマメ目マメ科インゲン連ササゲ属ですが、さやいんげんはマメ目マメ科インゲン連インゲン属です。

気になるささげの味|食感がよくて滋味深い

私は神奈川県出身で、関東地方ではささげを見たことがありませんでした。

ところが20年ほど前に愛知県にやって来て、スーパーでささげを発見!その細長い形状にとても驚きました。

地元の人にささげの食べ方を聞いてみると「煮物やごま和え、天ぷらにするとおいしい」とのこと。

まずは煮物を作って食べてみると、なんとも食感がよく、そして滋味深い!それ以来、ささげの大ファンになりました。

ささげが完熟すると「ささげ豆」|小豆のように赤飯にも利用できる

ささげが完熟すると「ささげ豆」になります。さや全体が黄色になってから収穫し、天日干しをした後、豆を取り出します。

小豆とよく似ている、ささげ豆。小豆との違いは、ささげ豆の方が黒っぽい色をしていることと、小豆に比べて加熱しても実が崩れにくいこと。

ささげ豆を使って赤飯を作ったり、南瓜などの野菜と一緒に炊いて煮物にしたり。小豆と同様にいろいろな料理に活用できます。

ささげ(ささげ豆)の栄養と効果効能|薬膳料理にも活用できる

ささげにはタンパク質だけでなく、食物繊維やカリウム、鉄、亜鉛などが多く含まれています。

大豆と比較して、炭水化物や脂質が少ないのも特徴です。

薬膳では、ささげは胃腸系を整えて気力アップが期待できる食材です。

アンチエイジングに関連する「腎」の働きを助けて、水分代謝を良くするとされています。小豆と同様に、むくみ対策にも利用されています。

大量消費!ささげの干し野菜|ほかの豆系野菜にも応用できる

ささげに限らず、豆系の野菜は鮮度が落ちやすいです。

「後で使おう」と思って冷蔵庫に数日入れておいたら味がガクンと落ちてしまった、そんな経験をお持ちの方もいるかもしれません。

すぐに食べないときや、大量にあって食べ方に困っているときの私のおすすめは「干し野菜」です。

新鮮なうちに半日~1日程度干してセミドライ(半分だけ乾いた状態)にしておくと、3~4日間はおいしく食べられます。

ささげに限らず、さやいんげんやモロッコいんげんなども同様に干し野菜にできます。

ささげの干し野菜の作り方

ささげの干し野菜の作り方を紹介します。ポイントは、「天気のいい日を選ぶこと」「風通しのよい場所で干すこと」です。

1.ささげの端をカットして、食べやすい長さに切る。

2.ささげをザルなどに並べる(写真は小さめのザルで干していますが、大きいザルで重ならないように並べたほうが乾き方が早いです)。

3.半日~1日程度干して、表面が乾けばできあがり(数日以内に食べない場合はこのまま袋に入れて冷凍保存します)。

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ささげの干し野菜の使い方

半日~1日程度干したささげは、生のささげと同じように料理に活用できます。

トマトなど夏野菜との相性も抜群で、我が家では煮物やスープなどの料理にそのまま使っています。

(逆に、干したささげは茹でると食感がいまひとつなので、和え物などには不向きです。)

ささげをおいしく食べて健やかに過ごそう

ささげは気力アップやむくみ予防などの効果が期待できる、女性におすすめの夏野菜。

大量にあるときやすぐに食べないときは「干し野菜」にすると、おいしさを保つことができます。

食事で心と身体を整えていきましょう!ささげをおいしく食べて、健やかに過ごせますように。



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