さつまいもの茎・葉は捨てずに活用!下処理とおいしい食べ方・レシピ

実りの秋がやって来ました! 我が家で毎年楽しみにしているのは、お芋堀り。

「芋堀り=さつまいもを掘るイベント」ですが、実は、実(根っこ)の部分だけでなく、茎や葉もおいしく食べられることをご存知でしょうか。

茎や葉の栄養や味わい方を知ってから、芋堀りに行くと、夢中で茎と葉を持ち帰るようになりました(笑)。

今回は、さつまいもの茎・葉の栄養とともに、下処理(アク抜き)の方法とおいしい食べ方・レシピを紹介します。

●この記事を書いた人……薬膳と郷土料理の研究家 松橋かなこ

さつまいもの茎・葉は食べられる?どんな味?

実は、私がさつまいもの茎や葉がおいしく食べられることを知ったのはつい最近のこと。

幼いころ、祖母から「戦中戦後はさつまいもの茎や葉っぱも食べていたんだよ」と聞いていたので、「食べられるけれどあまりおいしくないんだろうなぁ」と思っていました。

いわば「食べず嫌い」のような状態だったのですが、実際に食べてみてビックリ。

茎には実の部分によく似た甘さがあり、そのまま生でも食べてもおいしかったのです。葉はさっと茹でて調理すると、モロヘイヤのような粘りがあってクセがなく食べやすい!

そんな思いがけない体験がきっかけで、それ以来、さつまいもの茎や葉を食べるようになりました。

さつまいもの茎や葉はどこで売っている?

さつまいもの茎や葉は、収穫期になると直売所や道の駅などで販売されることがありますが、スーパーなどで見かけたことは一度もありません。

一般的に追熟させてから食べる実の部分とは異なり、茎や葉は「鮮度が良いうちに食べるのが大切」といわれています。そのため、市場になかなか流通しないのかもしれません(もちろん、食材として広く認識されていないという理由もありそうですが…)。

我が家では、冒頭に書いたとおり、お芋堀りのときに茎や葉を持ち帰ることが多いです。

つい先日のお芋堀りでは、農家さんから「茎や葉はテイクフリー(ご自由に)」と言われて、たくさん持ち帰ってきました。

さつまいもの茎・葉の栄養

さつまいもの茎や葉には、ビタミンB2・B6 、ビタミンCが豊富に含まれています。

現代人に不足しがちな鉄分・カルシウム・食物繊維もたっぷり含有しています。

さつまいもの茎の食べ方

まずは、さつまいもの茎を食べてみましょう。下処理(アク抜き)をしてから、きんぴらや煮物、佃煮などの料理に使います。

ちなみに、食べられるのは脇から出ている茎の柔らかい部分。中心の太い部分は筋ばっているので、脇から出ている茎だけを外しておきます。

下処理(アク抜き)

1.包丁または手で筋を取る(葉が付いている状態で葉の部分からスッと引っ張ると作業しやすい)。

2.食べやすい長さに切って、熱湯でさっと茹でれば下処理は完了!

食べ方

さつまいもの茎にはほのかな甘さと独特の香りがあります。私は「香りが控えめのセロリ」を使うような感覚で料理に使っています(わかりにくい表現だったらゴメンナサイ……)。

醤油とみりんで甘辛く味付けした「きんぴら」。シャキシャキの食感が楽しめて、子どもも食べやすい。

さつまいもの茎の独特の風味を生かすなら、煮物やスープがおすすめ。

すぐに食べないときは「乾燥保存(干し野菜)」がおすすめ


すぐに食べない場合は、下処理を終えた後にカラカラになるまで天日干しをすると、常温で長期保存できます(湿気には十分気を付けてください)。

さつまいもの葉の食べ方

さつまいもの葉は、クセがなくてとても食べやすいです。「肉厚なモロヘイヤ」の感覚で、さっと茹でておくといろいろな料理に活用できます。

さっと茹でた葉にポン酢で和えて、かつおぶしを乗せた一品。ごまみそ味もよく合う。

アジア圏では、さつまいもの茎・葉は定番食材!

日本ではさつまいもの茎・葉を食べる習慣はあまりないですが、アジアの国々では日常的に食べられる食材です。

私はかつてバックパッカーとして35ヵ国を旅していましたが(*)、アジアの食堂でさつまいもの茎・葉に似た野菜を見かけることがしばしばありました。

*旅のキロクについてはこちらの記事をご覧ください。

お隣の国・韓国では、さつまいもの茎・葉はナムルにして食べられています。また、ベトナムや台湾では、さつまいの葉の炒めものは定番料理のひとつです。

さつまいもの茎・葉が手に入ったら、アジアの料理に使ってみてもいいかもしれません。

さつまいもの茎や葉をおいしく食べて、人にも地球にもやさしく暮らそう

さつまいもの茎や葉は、おいしく食べられるだけでなく、現代人が不足しがちな栄養がたっぷり詰まっています。使わないなんてモッタイナイ!

捨ててしまいがちな食材を上手に活用することは、フードロス削減にもつながります。

身近な食材をおいしく食べて、人にも地球にもやさしい暮らしをしていきたいですね。

さつまいもの茎や葉を見かけたら、ぜひお試しください♪


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