大量消費にもおすすめ!梅酒・梅シロップ以外の保存食9選(梅仕事・はじめに)
週末に梅を約10キロ収穫してきました。その前にご近所さんからいただいた梅もあるので、すごい量になっています(笑)。
「梅はその日の難逃れ」という昔からの名言にあるとおり、梅にはいろいろな効果が期待されています。
我が家では、心身を健やかに保つ「お守り」のような存在。味噌や梅ポン酢など、毎年8~10種類の保存食を仕込んで、一年かけてゆっくり楽しんでいます。
今回の記事では、梅酒・梅シロップ以外の梅を使った9種類の保存食を紹介します。「梅がたくさんあって困っている」というときのご参考になれば幸いです。
〇この記事を書いた人……薬膳と郷土料理の研究家 松橋かなこ
梅を使った保存食9選
梅は完熟の度合いによって、大きく「青梅」と「完熟梅」の2つがあります。キズのない上等の梅のほかに、キズや汚れがある梅もあります。
私は梅仕事を始めて約15年。毎年作っているうちに「こうしたらもっとおいしくなりそう!」というアイデアが出てくるようになりました。
そんな私の経験をもとに、「青梅」「完熟梅」「キズあり梅」の3つにわけて、おすすめの保存食を紹介します。レシピは随時更新していきますね!
(一般的なレシピとは異なり、できるだけ甘さ控えめで作るようにしています。管理の手間がかかったり、早めに食べ切る必要があったりします。しかしその分、梅本来の香りが楽しめて、身体にもやさしいレシピになっています。)
青梅を使った梅の保存食
青梅は、未熟な状態で収穫された梅のこと。外見は青く、固くて酸味があります。梅酒や梅シロップを作るときによく使われていて、あく抜きをしてから使うことが多いです。
1.青梅のシロップ煮
青梅のシロップ煮は、作ってすぐ食べることができる珍しい保存食です。通常の場合、梅の保存食は作ってから待つ必要があるものが多いですが、こちらは当日中または翌日には食べられます。
梅の酸味や香りが口いっぱいに広がる一品で、我が家では梅を収穫すると毎年真っ先に作っています。
〇作り方・レシピはこちらの記事をご覧ください。
2.梅ポン酢・梅しょうゆ
夏のヘルシー料理に大活躍するのが、梅ポン酢や梅しょうゆ。どちらも材料を保存瓶に入れて待つだけ!とても簡単に作れます。
2023年にinstagramで作り方の動画を紹介したところ、なんと再生回数12万以上! 全国でたくさんの人たちに仕込んでいただきました。
梅仕事を始めた頃は梅しょうゆを作っていましたが、最近は使い勝手の良さから、梅ポン酢を作ることが多いです。ところてんに梅ポン酢をかけたものは、夏の健康おやつにおすすめです。
〇作り方・レシピはこちらの記事をご覧ください。
3.梅味噌(砂糖不使用)
青梅と味噌を交互に重ねて、味がなじむまで待つだけで作ることができます。一般的なレシピでは保存性と酸味を抑えるために、砂糖をたっぷり使います。
「砂糖なしで作れないだろうか?」と考えて、試作したら大成功! 当時ライターを務めていたオーガニックwebマガジン「IN YOU(インユー)」で紹介したところ、なんと2.7万いいね!の大ヒット記事になりました。
砂糖を使わない分、こまめにチェックするなど管理に手間がかかることもありますが、梅のおいしさが存分に味わえます。
〇作り方・レシピはこちらの記事をご覧ください。
4.梅酢シロップ(梅ビネガー)・梅はちみつ(梅ハニー)
青梅とはちみつは相性抜群です。青梅にはちみつを加えることで、梅の酸味が抑えられて食べやすくなります。また、はちみつの滋養が加わって、疲れたときにぴったりの保存食になります。
梅酢シロップははちみつと酢、梅はちみつははちみつを青梅に加えて待てば完成します。梅酢シロップは、1年ほど置いておくと果肉がトロトロになります。
炭酸水やお湯などで割って飲むのはもちろん、青魚の煮物やマリネに使うのもよく合います。
5.青梅のピクルス
青梅は、ピクルスにもよく合います。私は、梅の爽やかな香りを生かすために、シンプルな味付けにすることが多いです。
お好みで、ローズマリーやタイムなどのハーブを加えたり、クローブなどのスパイスを加えたりしてアレンジするのもおすすめです。
完熟梅を使った梅の保存食
青梅を常温でそのまま置いておくと(「追熟」と呼びます)、少しずつ熟して黄色になります。追熟が進むと、桃のような甘い香りがしてきて、部屋中がいい香りで満たされます。
参考までに、完熟梅には大きく2種類あります。収穫したもの(=「取り梅」)を追熟させて作るものと、木の上で完熟させて自然落下したものを収穫する「落ち梅」です。
6.完熟梅の梅ジャム
完熟梅を使った甘さ控えめの梅ジャムは、手作りだからこそ味わえる逸品です。私はまとめて作っておいて、小分けにして冷凍保存しています。
パンや豆乳ヨーグルトの上に乗せて食べるのはもちろんのこと、濃いめに作った自家製甘酒の上にトッピングするのも気に入っています。
〇作り方・レシピはこちらの記事をご覧ください。
7.完熟梅の梅干し
梅干しは、青梅や小梅で作る人もいますが、私は完熟梅(正確には完熟の一歩手前くらいですが)を使うのが好きです。果肉が柔らかくて、口に入れるとジュワーっとエキスが広がります。
完熟梅で作るメリットは、梅をペースト状にして料理に活用しやすいということ。ドレッシングを作ったり、タレにしたりとさまざまな料理に展開できます。
キズあり梅を使った梅の保存食
梅仕事をしていると、キズや汚れのある梅を見つけることがあります。特に2023年は、暴風雨の翌日に梅を収穫したのでキズありのものがたくさんありました。
きれいな梅を使ったほうがいい保存食もあれば、そこまで気にする必要のないものもあります。ここでは、キズありの梅がおいしく変身する保存食を紹介します。
8.梅の酵素ジュース(砂糖不使用)
数年前にブームになった、手作り酵素ジュース。梅は酵素ジュースにもぴったりの素材です。
一般的なレシピでは大量の砂糖を使いますが、砂糖なしで作ってみたら、なんと成功!砂糖がない分、日持ちはあまりしませんが、自然な味わいが存分に楽しめます。
〇作り方・レシピはこちらの記事をご覧ください。
9.梅のぬか漬け
梅に塩を振ってしばらく置いた後、ぬか床に漬け込みます。一日~数日ほど待って、白っぽくなればできあがり。
梅は殺菌力が強いため、ぬか床に入れておくと、ぬか床を清潔に保つことができます。その効果を期待して「ずっと入れっぱなし」という人もいるようです。
〇作り方・レシピはこちらの記事をご覧ください。
梅の保存食で健やかに過ごそう
梅を使った保存食づくりは「梅仕事」と呼ばれています。私は梅仕事を始めてから約15年。
正直なところ、梅仕事を始めた頃は、青梅と完熟梅の使い分けすらよくわかっていませんでした。
「最初は1種類、次の年は2種類......」というふうに、毎年仕込む種類が増えてここまでやってきました。失敗も数えきれないほどあります(笑)。
我が家の梅の保存食レシピが増えてきたので、今回こちらにまとめてみました。「これから梅仕事を始めてみたい」「ちょっと変わった保存食を作ってみたい」という人のご参考になれば幸いです。
梅をおいしく食べて、健やかに過ごせますように!
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